【読書記録】乙一「暗いところで待ち合わせ」

 

1人静かに暮らすミチル。悩む若者、アキヒロ。2人の奇妙な同居生活の行き着く先は……。

 

ミチルは目が見えない。親友のカズエと共に外に出る以外は、1日のほとんどを家の居間でじっとして過ごす。
アキヒロは職場の人間関係が上手くいかず、しかも、その中心人物とも言える先輩・松永が列車に轢かれるその場に居合わせてしまう。

 

容疑者として追われることになったアキヒロが逃げ込んだのは、ミチルの家、その居間の隅だった。他人の気配に怯えるミチルと気配を悟られまいとするアキヒロ。しかし、二人の気持ちにも徐々に変化が生じ、干渉しないはずの二人の世界も……。 ミステリーらしく、納得のラストと、ハッピーエンドが同居する、不思議な感覚でした。

 

言葉を発せられない状況だから、台詞がない場面が多い。けど、それぞれの考えていること、感じていることが緻密に描写されていて、分かりやすく、読みやすく、想像しやすく、共感しやすかった。

 

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